【プロダクトナウ/開発者インタビュー】壁紙見本帳「LIGHT」 リリカラ「Borderless」をコンセプトに用途や空間の垣根を超えた提案を強化新コンテンツ「コーディグラム」に注目
- アートインテリアタムラ
- 6月27日
- 読了時間: 4分
リリカラ(株)(山田俊之社長)は、住宅をはじめ、オフィス、ホテル、商業施設などの非住宅まで幅広く対応する壁紙見本帳「LIGHT」を、さる5月27日に新発売した。
新「LIGHT」は、「Borderless(ボーダレス)」をコンセプトに、用途や空間の垣根を超えた提案、さらに特設サイト「LIGHT WEB」を新設するなど新たな企画が多彩に盛り込まれている。その企画・開発を担った同社マーケティング部壁紙プロダクト課の恩田泰平課長に「LIGHT」の特徴を聞いた。
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「LIGHT」を開発するに当たって実施した市場リサーチでは、住宅・非住宅におけるデザインの境界が曖昧になっていることが浮き彫りになりました。例えば、住宅ではホテルライクやカフェライクといったデザインがトレンドとなり、一方でオフィスでは働きやすい環境を整えるべく住宅のようなイメージを取り入れる、といった形に、住宅には非日常を、非住宅には日常の要素を加えるのが今のトレンドです。
そこでコンセプトを「Borderless」として、双方の要望をかなえられる見本帳構成を目指しました。
もともと当社では、壁紙の基幹見本帳として住宅向けの「V-ウォール」、コントラクト向けの「ウィル」、そして住宅から非住宅まで対応する「LIGHT」の3つを展開してきました。これまでの「LIGHT」は、非住宅向けには不燃認定壁紙、住宅向けには準不燃壁紙と1冊の中でもはっきりと区分してきましが、今回はその垣根をなくして、用途や空間にとらわれない見本帳としたのが一番の特徴です。
もう1つの特徴が、特設サイト「LIGHT WEB」を新設し、その中でディグラム診断とインテリアコーディネートを組み合わせた「コーディグラム」というコンテンツを公開したことです。ディグラム診断とは、心理学と統計学を基にディグラム・ラボが開発した性格診断ツールです。そこにインテリア診断の要素を組み込み、20個の質問に答えると31パターンの性格診断がなされ、その性格に合ったインテリアテイストを提示、さらにそのテイストに対応した「LIGHT」収録の壁紙が提案されるというものです。
これも「Borderless」の1つと捉えています。インテリアの知識がなくても、「コーディグラム」を活用すれば自分の好みのデザインテイストが見えてくる、まさに知識の垣根を超えていく仕組みです。プロユーザーの方にとっても、お客様の嗜好がある程度把握することができ、時短につながるとともに、根拠をともなった提案ができると思います。とても面白いコンテンツですのでぜひ試してください。
次に実際の商品についてですが、メインの巻頭企画「+1(プラスワン)」では、「mood」「サステナブル」「希少種」という3つのコレクションを展開しています。
まず「mood」は、コンセプトの「Borderless」をもっとも表現したコレクションです。「クワイエットラグジュアリー」「レトロ」「オーガニックモダン」という、そこで過ごす人の気分をイメージした3つのテーマに対して、住宅、ホテル、カフェなどさまざまなシーンの施工例写真を掲載しながら、不燃・準不燃にとらわれずお選びいただけるように、垣根を超えて提案しています。
次に「サステナブル」は、その名の通り環境に配慮した壁紙を集約したコレクションです。その中でご注目いただきたいのがホタテの貝殻を再利用した「BIO SHELL(バイオシェル壁紙)」です。通常の壁紙を製造する際に使用する炭酸カルシウムをホタテの貝殻で代替しており、バイオマスマークも取得しています。表面に貝殻が出ることはなく、施工性は一般の壁紙と変わらないため、とても使いやすくなっています。
そして「希少種」は、チークやマホガニー、ブラックウォールナットといった希少性の高い木材の木目柄を、グロスマット技法(同調エンボス)を用いて緻密に再現したシリーズです。希少種の代わりに採用していただくことで種を守ります。さらに売上の一部を「緑の募金」を通じて緑化事業に寄付するなど環境保護活動にも取り組みます。
巻頭企画以外にも見どころはたくさんあります。例えば、「希少種」で使用したグロスマット技法を石目柄に採用、石の陰影を再現したリアルな仕上がりになっています。またV\&A(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 ロンドン)とのコラボブランド「V\&A」では、ウィリアム・モリスのデザインだけでなく、新たに3名のデザイナーのデザインを壁紙として提案しています。
この他、機能性壁紙に関しては、「ウェルビーイング」というタイトルを付け、単純に機能を訴求するのではく、使用する空間別にどのような機能が求められるのかを明らかにした上で商品紹介をしていくという流れをつくりました。
ご紹介しきれないことも多々ありますが、コンセプト設定など企画段階からとてもこだわった、自信を持っておすすめできる一冊となっています。
特設サイト「LIGHT WEB」
リリカラのホームページ



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